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商業施設新聞
[2007.12.11]
商業記者の独り言
No.179
サムスングループにかける期待
嚴 在漢
 「サムスンの没落はすでに始まった!!」とソニー出身の立命館大学経営大学院教授が語った。去る11月28日、東京都内のあるセミナーでの話だ。 その理由について公に聞いたところ、大きくは2つの不正疑惑が判明しつつあるからだという。現在2代目のサムスングループ・李健熙(イ・ゴニー)会長などが3代目の後継者であるサムスン電子専務の李在鎔氏への継承過程で犯した巨額の脱税疑惑がひとつ。また、同脱税の発覚をごまかそうと、政界・検察・国税庁など国家の主要人物らに選別的かつ定期的に現金などを贈賄した疑いだ。

 この事件は、いわゆる「サムスン奨学金」という実態不明の噂を、元サムスン電子の法務チーム長(常務級)を担当していた金勇K弁護士が暴露したことがきっかけとなった。まさに、内部告発による不正疑惑の浮上という典型だ。暴露してから1カ月半が経過した現在でも、テレビ・新聞のメーンを連日飾るほどの大騒ぎ。「韓国を代表する企業のサムスンがなぜこのような法外なことを…」「メモリー半導体や液晶分野の世界最強企業がどうして?」といった声や、「政権が変わるたびに金品を強請る政治家の方がもっと悪人だ」「高度経済成長期に不可欠な産物だ」など、市民の反応や見方はまちまちだ。
ソウル市中区に位置するサムスン電子本社ビル
ソウル市中区に位置するサムスン電子本社ビル

 サムスングループはここ20年間、韓国経済の飛躍とともに目覚しい成長を遂げてきた。1987年当時の総売上高は約2.1兆円(現状の為替で換算、1円=8ウォン)にすぎなかったが、2006年には同19兆円と約9倍の規模に躍進した。輸出規模も、9億USドルから663億USドルと、なんと73.7倍も増加している。07年基準のブランド価値は169億USドルとなり、ソニーを追い越して世界の21位にランクされている。

 また、サムスングループの06年総売上高はGDP(国内総生産)の18%、輸出規模は韓国全体(3250億USドル)の21%を占めている。さらには、世界メモリー半導体トップの座を13年間堅持しており、半導体部門の投資額は1兆円を突破、25万人余りの従業員を擁している(ともに07年基準)。まさに韓国の大黒柱、国家の要となる企業であり、韓国経済にとって不可欠な存在だ。

 「韓国経済が短期間に成長した牽引役は、サムスンという大手企業であった」「企業の成長過程には光と影という2つの側面があるが、サムスンを巻き込んだ現状はあまりにも陰ばかりを指摘しているようだ」とサムスングループに同情的な経済学者の声も聞こえる。しかし、だからといって不法な行為を許す…という韓国世論でもない。

 「李在鎔専務に法外なやり方で経営権を世襲したのは大間違いだ」という良識ある見解が大半を占める。継承の過程で犯したさまざまな不法行為、違反行為に対する真の謝罪と反省、関連者の処罰が先行すべきという意見が多い。多くの韓国人は、今回の事件を重んじており、この間の諸疑惑をクリアしていくことを真に願っている。

 来る12年に、総売上高1500億USドル(サムスン電子のみ、現状は1000億USドル強)の達成目標を打ち出したサムスングループ。とりわけ、08年4月からはソウル市中区にある本社ビルをソウル市江南(カンナム)に移転する予定だ(写真:左側からサムスン電子、サムスン物産、サムスン生命ビル)。韓国経済を牽引してきた開拓精神に立ち戻り、世界の一流企業、最先端の企業と熾烈な首位攻防戦を繰り広げる、堂々たるグローバル企業として、さらなるイメージアップを期待する。


08年4月に移転するソウル市江南区サムスンセンター(イメージパース)
08年4月に移転するソウル市江南区サムスンセンター(イメージパース)