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| [2008.12.16] |
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第221回
(株)わらび座 代表取締役 小島克昭氏 |
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| 演劇文化と観光のクロスオーバー実現 |
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田沢湖の「奇跡の劇団」は実に動員30万人 地ビール開発、温泉経営も手がけ年商20億円 |
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秋田県仙北市田沢湖に本拠を置く(株)わらび座は、いまや「奇跡の劇団」として全国にその名を知られている。劇場文化をベースに地域活性化を図る、というユニークな手法が注目を集めているのだ。この劇団は、地元を題材としたミュージカルのロングランを続けており、実に年間動員数30万人を誇っている。また「田沢湖ビール」という地ビールを開発し、全国に販売するほか、レストランも運営している。さらに「温泉ゆぽぽ」を経営し、演劇鑑賞付きの観光という手法を編み出した。最近では、愛媛県東温市にオープンした「坊っちゃん劇場」の運営にも関わっている。演劇活動をコアとするわらび座の年商は、驚くなかれ、20億円を超えているのだ。今回は、この奇跡の劇団を中心とした事業グループ(株)わらび座を率いる代表取締役の小島克昭氏(=写真)に話を伺った。 |
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―― わらび座が大ブレークし始めたのは、95年のミュージカル制作に始まるといわれますが。
小島 わらび座の歴史は古く、1951(昭和26)年に東京でプロ劇団として創立され、2年後に民俗芸能の宝庫といわれる秋田に拠点を移した。実に創業57年を数える。劇団の路線問題を巡っては、様々な議論が戦わされてきたが、93〜94年ごろに現在のスタイルにつながるコンセプトが固まった。日本の風土に根ざしたミュージカルこそ、今後の生きる道だと思った。
観客にわかりやすく、舞台を楽しんでいただき、きっちりとした演劇的カタルシスもある作品づくりこそが重要なのだ。難しくても、品質が良ければ売れるという時代は、過去のものになった。わかりやすさ、地域性を追求した結果として、東北を主なテーマとした創作ミュージカルの制作に行きついたのだ。第1弾は、なまはげ伝説を基にした「男鹿の於仁丸」という作品で公演数733回(これは再演もふくめての公演数)というバカ当たりとなった。
―― テレビ文化やインターネットの普及で東京の演劇界は退潮していますが。
小島 よく考えてみれば当たり前のことであるが、現在の表現文化の主役に座っているのは、何といっても音楽だろう。クラシック、ジャズ、ポップスなど、幅広い分野に多くのアーティストが林立し、これを支持する膨大な観客層がある。一方で演劇は、戦後すぐには文化の担い手として大爆裂したが、その後、映画、テレビなどに押され、最近ではインターネットの普及もあって、退潮傾向に歯止めがかからない。つまりは、観客層が少なくなり、芝居に出かけるという日常性が失われつつある。
さて、ここで逆転の発想が必要だ。観客が来ないのであれば、なにがなんでも来させればよいのだ。わらび座が拠点を構える田沢湖には、国道46号が通っており、600万人といわれる観光客が行き来する。これらの客を劇場に呼ぶ方法はないか、とひたすら考えた。そこで、92年に宿泊施設付きの「温泉ゆぽぽ」を開業した。96年には、わらび座の演劇が楽しめ、天然温泉を満喫し、木工、陶芸などの工芸などが楽しめる「たざわこ芸術村」として新たなスタートを切ったのだ。この村には、年間30万人が訪れ、賑わいをみせている。これは、まさに観光と文化のクロスオーバーだといってもよいだろう。
―― 地ビールの開発などもユニークな活動ですね。
小島 田沢湖ビールのブルワリーを持ち、全国に販売している。これをベースにしたレストランやショップの運営も手がける。田沢湖ビール醸造の「品川縣ビール」が、東京都産業労働局長賞を受賞している。また「ジャパン・ビア・カップ2006」で、アルト金賞も受賞した。さらに「インターナショナル・ビア・コンペティション2007」でも、ケルシュ・アルト金賞を受賞している。こだわりを持った地場商品の開発は、新たな客層につながり、これが一方で芝居を見てみようという動機の引き起こしにもつながるのだ。
―― 最近では全国各地にわらび座カルチャーが波及しているそうですね。
小島 ここに来て、観光と地場の商品開発が演劇文化と結びついた街づくりが全国で注目され始めた。愛媛県の坊ちゃん劇場については、わらび座が共同出資者となり、人おこし、観光おこしという点で、運営に関わっている。07年には、新潟市において政令指定都市記念ミュージカルを地元に制作協力した。熊本県では、地元を舞台にした「天草四郎」も制作し、観光振興をサポートした。芸術活動をベースに地域の振興を図るという手法は、今後、全国各地で巻き起こって欲しいと考える。それが、少子高齢化でかつ、経済が疲弊しているニッポンの新たな活性剤になると信じている。
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| わらび座ミュージカル「おくのほそ道」舞台風景 |
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| わらび座が開発・販売する田沢湖ビール |
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| (聞き手 特別編集委員 泉谷 渉) |
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▼(株)わらび座
〒014-1192 秋田県仙北市田沢湖卒田字早稲田430 Tel.0187-44-3311
http://www.warabi.or.jp/
1971年3月設立(劇団創業は1951年)、資本金9800万円、代表者=代表取締役 小島克昭氏 |
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