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商業施設新聞
[2009.4.21]
ユニーク商業人列伝 第236回
(株)サードプラステクノロジー 代表取締役 水津克己氏
チェーン店舗向け省エネを徹底支援
各店舗ごとの電力量監視が本部で「見える化」
外食産業大手などへの売り込みに全力
(株)サードプラステクノロジー 代表取締役 水津克己氏 省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)が改正となり、フランチャイズチェーンも一事業者としてとらえられ、2010年4月から電力の総使用量と原単位数量(延べ床面積×営業時間当たり使用量)を報告することが義務づけられた。具体的には、原油換算年間1500kl(約40店相当)以上の事業者に報告義務が課せられるのだ。これを受けて、各チェーンは、具体的な省エネルギー対策を強化すべく、対策を練っている。しかし、ここで問題があるのだ。各店舗で月に1回、電力量を計器から読み取り、本部に報告しているが、数値のミスが多数発生している。人手を介さない、標準化された自動的な電力量監視システムの導入が、ここにきて必要とされてきている。(株)サードプラステクノロジーは、2006年8月に設立された新進気鋭のベンチャー企業であるが、PLC(電灯線)通信をコアとする画期的なチェーン店舗向け電力量監視システムを発表し、この普及に全力を上げている。同社代表取締役の水津克己氏(=写真)に話を伺った。
―― 貴社が設立された背景は。

水津 私は、1973年に大阪大学基礎工学を卒業し、三菱電機に入社した。一貫して半導体プロセスの世界を歩み、1999年には半導体副事業本部長として営業統括の任にあった。その後、ルネサス テクノロジの常務取締役を経て、06年にサードプラステクノロジーを設立した。ルネサスが保有するPLC専用マイコンの技術をカーブアウトし、独自のビジネスモデルで様々な業界に貢献しようと考えたのだ。

―― PLC通信とは、どのようなものですか。

水津 簡単に言えば、コンセントに差し込むだけで通信ができるということだ。店舗、オフィスや家庭に引き込まれている電気配線(電力線)にデータ信号を乗せて送る通信技術のことを言う。特別な工事は必要なく、屋内にすでに設置されている電力線をLANケーブルのように使って、PLCネットワークが可能になる。
 実際のところ、ほとんどすべての国において、電力線は電話回線よりも浸透しており、屋内にあるコンセントの数は、電話のジャックの数よりもずっと多い。ルネサス テクノロジという半導体メーカーは、このPLC専用マイコンの開発実績では、業界を大きくリードしている。欧州、米国、台湾では、PLC通信として採用されており、ディファクトスタンダードになりつつある。当社の狙いとするところは、低速PLCの分野だ。高速とは異なり、屋内はもちろん屋外でも使える。したがって、セキュリティー分野、あるいはLEDのコントロール分野においても導入が期待される。

―― とりわけフランチャイズチェーンの電力量監視システムに注力していますね。

水津 そのとおりだ。フランチャイズ店舗は、日本全国で約8万店が存在している。この省エネルギー対策が重要なのだ。しかしながら、省エネルギー対策を立てるためには、電力量を自動的に監視するシステムが必要であるが、ローコストで簡易な方法論がこれまでにはなかった。配電盤で電力量を読み取る装置は、数社から製品化されているが、店舗によって設置場所が様々であり、本社や本部で集中管理できないというデメリットがある。
 当社の開発したチェーン店舗向け電力量監視システムは、PLC通信を活用するため、省エネ対策の効果が出るような「見える化」が容易にできる。新規配線は一切必要なく、様々な設置条件に柔軟に対応できる。1000件以上のフランチャイズ店舗であっても、電力使用量および各種データは、インターネットを通じて本社に集められ、いつでも本社・本部から確認できるのだ。さらに言えば、温湿度センサーや人感センサーなどの各種センサー付きPLC端末を追加すれば、セキュリティーシステムへの拡張も容易にできるのだ。

―― コストパフォーマンスはいかがですか。

水津 工事代金は別にして、1店舗あたり標準的には15万円程度のコストで導入できる。すべてをカバーできるシステムであり、省エネ対策は画期的に進むだろう。従来の方法に比べて、当社のシステムはコストが半分になると見ている。1店舗あたり、月に約25万円以上の電力を使用しており、5%程度の電力削減により1〜2年でペイできる。垣根なしに言えば、当社のシステムが最も安いだろう。

―― 当面は、外食産業にフォーカスして普及促進されていますね。

水津 外食産業については、これまで省エネ法の管理下に置かれるという考えがあまりなかった。それだけに、早急に省エネ対策を構築しなければならず、当社としては、やはりファーストターゲットとなる。
 当社のシステムは、外食チェーン店舗において、導入に際し、多くのメリットがあるのだ。つまりは、敷設時にホコリが出ない、店舗の景観を損なわない、店舗移動時に変更が容易だ。屋外に設置された配電盤からの通信も可能となる。現状では、大手ファーストフードと交渉を進めており、このシステムの導入検証・評価を進めている。今後は、他の外食産業の分野においても導入提案を積極的にやっていきたいと思う。
(聞き手 特別編集委員 泉谷 渉)

▼(株)サードプラステクノロジー
〒105-0021 東京都港区芝大門1-2-9 ポートビル2階 Tel.03-6809-2101
http://www.sardplus.com/
2006年8月16日設立、資本金3170万円、代表者=代表取締役 水津克己氏